ヨーロピアンドライビング(デンマーク)
今朝早くベルゲンからヒョリングの港に着いた妻と私は一路、ブレーメンを目指した。朝のまぶしい光が運転席の窓を突き抜けて左の頬に突き刺さる。起伏の激しい勇壮なノルウェーに比べるとなんておだやかな土地だろう。緩やかな黄金色の丘が幾重にも連なっている。一時間ほど走って、我々は休憩をとることにした。
ロードサイトのドライブインで、コーヒーとデニッシュを注文した。カウンターの奥に黒髪の小柄な東洋人らしき女性がいたので、話しかけてみたがどうも英語がわからないようだ。「デンマーク語を話す華僑かな?」と思い、続けて中国語で話しかけてみるが、さっぱり通じない。申し訳なさそうな彼女に「Never mind!」と言って微笑みかけると、安心したような表情になった。
数時間後、ハンドルを握りながらふと気がついた。東洋人に見えた彼女はもしかしたらグリーンランドあたりから出稼ぎに来ていたイヌイットだったのかもしれない。イヌイットの人と会ったことはないが、同じモンゴロイドなので外見は我々と似ているだろう。それなら言葉は通じないはずだ。妙に納得した爽快感を感じながらアクセルを踏み込んだ。ドイツ国境は目の前だった。
スポンサードリンク
494
10532