力いっぱい生きた姉
8つ年上の姉は僕の自慢だった。
学校の成績は主席の座を譲ったことがなく、174センチすらりとしたスタイルで高校時代は走り高跳びではインターハイ全国3位、抜けるような白い肌を持つ町では評判の美人だった。
東京の有名国立女子大学3回生時に発病した不治の病に自分の身体が日々侵されてゆくのが耐えられなかったのであろうか、そんな姉が湖に身を投げたのはほんの3日前。
今日は姉の亡骸が、彼女が愛してやまなかったふるさとに帰りしめやかに通夜が営まれていた。姉の死顔は元気であった当時と同じように美しく、僕には彼女が永遠に家族のもとを離れていった実感が持てなかった。
しばらくして男が大声で泣きながら姉の眠る我が家に入ってきた。「俺のせいだぁ!俺がもっと一緒にいてあげることができたら・・・」姉の生前の交際相手だろうか、悲痛な叫びをあげている。
「今日この人で4人目やね・・・」と母は一筋の涙を流しながらつぶやいた。
姉は死の直前までタフで完全だった。
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