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新歓コンパ

僕の入ったM大学のレーシングサークル「アンドロメダ」には代々、新加入の新入生に課せられる芸があった。

それは新歓コンパで盛り上がったころ、その年の男子の新人が立ち上がりズボンとパンツを下ろしていわゆるフルチンになるというものだった。「アンドロメダ」は大学のバイクレーシングサークルの中では、その名を全国にとどろかせており高校のときからレースに参加していた僕がM大学を進学先に選んだのもまさにこのサークルで活動することが目的だったのだ。

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「アンドロメダ」にはレースクィーンのような役目を務めるきれいどころや女だてらにレースに出走するような女子部員も多数いて、人間の尊厳にも関わるこの芸をやるのは非常につらいところだった。しかし、これもこれから「アンドロメダ」で活躍するため。こんなことで挫けていられないので、僕は覚悟をきめたのだ。

その芸は飲み会の場が暖まったときに先輩がおもむろに「おい、今年の新人は何気筒だ?」ときっかけを出す。ちなみに気筒とはエンジンのピストンを指し、そのエンジンが1つのピストンで構成されているものなら単気筒、2つのピストンをもつエンジンなら2気筒となるものである。この気筒と男根の亀頭をかけたのがこの芸のつまらないしゃれなのだ。今年の新人男子は全部で4人だったから4気筒(亀頭)となるので、先輩から声が掛かったら「4気筒です!」といいながら新人4人が一斉に立ち上がりフルチンになるという手はずだった。

毎年この芸をやるときには、女子部員の「キャー!」という声で場の盛り上がりが頂点に達するそうだ。キャアといいながらも、顔を覆った指の間からしっかりと品定めをしているようだが・・・

しかし、「4気筒っす!」と立ち上がった我々に盛り上がるどころか周囲は一瞬静まり返った。”なんだ、なんだこれは?めちゃくちゃはずいぞ”。一瞬の沈黙のあと、1人の先輩が呟いた。

「なんだ3気筒じゃねぇか・・・」

よく見てみると同じ新人の高梨のやつがめちゃくちゃ皮をかぶっていたのだ。ほどなくその場は爆笑に包まれた。

しこたま飲まされた僕はそれからのことはよく覚えていないが、誰かが「おい、今年の新人は何万個だ?」と叫んで無視され、冷たい空気につつまれていたような気がする・・・

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