ランブル・フィッシュ
ランブル・フィッシュは1983年に作られたフランシス・F・コッポラ監督作品。
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ランブル・フィッシュとは日本語で「闘魚」の意味で、この映画は「闘魚」のようにいがみあい、争うアメリカの小さな町の高校生の生活を描いている。当時、多く作られたYA(ヤングアダルト)映画の代表的作品である。
地域の不良少年のカリスマであった兄のようになりたいといきがる主役の少年ラスティには当時アイドルとして人気の絶頂にあったマット・ディロン、恋人のパディ役にはYA作品のマドンナ、ダイアン・レイン。脇にはラスティの兄で少年たちから偶像としてあがめらているが色盲と言うハンデを背負っている青年モーターサイクルボーイにミッキー・ローク、妻の出奔の後酒びたりになった2人の父親にデニス・ホッパーというアクの強い役者を配し、その他にもラスティの友達役でブレイク前のニコラス・ケイジやクリストファー・ペン、彼らの溜り場となっているビリヤードバーの店主にダミ声の「酔いどれ詩人」、歌手のトム・ウェイツというそうそうたるメンバーが出演している。
田舎町のどこにでも見られる不良少年たちの争い、その争いを終結させたカリスマの兄が町を出てからもう2ヶ月にもなる。兄の後を引き継ぎ不良少年のボスとして懸命に虚勢をはるラスティは仲間の少年たちがもう争いをつまらないこととしてとらえていることに気がつかない。兄のように仲間を仕切ることができないあせり、苛立ちから更に(彼が考えるところのクールな)喧嘩や女遊びに走ってゆく。
そんな空気の読めないラスティに仲間たちは冷ややかな視線を送り、恋人のパディも離れてゆく。更には帰ってきた兄から、「自分たちがしていたことはくだらなかった」と聞き、ショックを受ける。過ぎ去った光に固執するラスティの悲しさは、航空戦や核爆弾の時代に移っているにも関わらず戦艦大和を一生懸命作っていた末期の日本軍に通じるものがある。
そして兄は夜のペットショップに押し入り、捕らわれていた鳥や魚を逃がす。「一緒にこの町を仕切ろう」と食い下がる弟に、「俺のバイクに乗って町を出て海まで走れ」と言う言葉を残し警官の銃に倒れる。何でもできるのにやりたいことがないという悲惨な宿命を抱えた兄の最後の仕事は、身を持って広い世界の中では自分たちなんてほんのちっぽけなものであることを弟に教えることであったかのように。
この作品はモノクロ映画である。これは色盲であるモーターサイクルボーイからの視点で描かれているようだが、白黒の画面は不毛な争いにしか自らの存在価値を見出せない若者のけだるい生活を表現するのにはピッタリはまっていて、さすが名監督の所業である。最後のペットショップでランブル・フィッシュ(ベタ)だけが本来の色である鮮やかな青と赤で描かれるのも印象的なシーンである。
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