特殊能力者密度の異常値
霊感とはこの世に漂っている霊魂を感知する力だと言われている。霊能力の高さにはいろいろなレベルがあるようで、頻繁に金縛りに遭い、その時に夢うつつながら霊らしきものが見えるような気がする程度の人から、普通に街を歩いているときに実際には存在していない人間、つまり霊魂、を1日の何個も見るという人までいると言う。
霊魂が見える人がいったいどれぐらいの割合でいるかわからないが、このことについて私の友人の1人が珍しくもさびしい体験をしたことがある。
その日は、私の友人(女性)とその女友達、そして男性の友人の3人で車に乗っていたそうである。運転席には男性、私の友人が助手席、女友達は後部座席にそれぞれ座っていた。

休日の午後の気楽なドライブで過ごした後、すっかり陽が暮れた公園の駐車場に車を止めて3人は仕事や恋愛や人生観など、ごくごく普通の若者が話しそうな話題で盛り上がっていたそうである。
しかし、しばらくして私の友人は運転席の男性が急に言葉少なくなったことに気がついた。
「どうかしたん?」と彼女は訊いた。
「べ、別に。何でもあれへんよ」と男性は答えたがどうも様子が変だ。
「ほんま、大丈夫?気分悪いんちゃうの?」
とその時、後部座席に座っていた女性が口を開いた。
「私、わかるで」
前にいた2人はぎょっとして後ろを振り返った。
「見えんねんやろ?」
一瞬の沈黙のあと、男性が言った。
「君も見えてんのか。どないする?行こか?」
「行こうや」
そして、男性は車のエンジンをかけ3人はその場を離れた。わけがわからなくなった私の友人はしばらくして、女友達に何があったのか聞いてみた。
「さっきうちらが止まってたとこの目の前に大きな木があったやろ?」
「あった、あった。でも、それがどうかしたん?」
「その木の傍に子供の幽霊が立っとってん。」
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